2008年6〜7月 Alaska Ruth Gorge Alpine Rock Climbing その2(6/19〜7/13)

帰った翌日はオフだなあ思いながら起きると雨。そして恐ろしいことにこれら3日間、雨と雪が続くのである。となるとすること睡眠、朝食、読書、昼食、昼寝、読書、夕食、読書、睡眠のパタン。これはパンケーキ。テフロンが剥げていて焦げるこげる。


定番メニューのほうとう、これが一番おいしかった

雪が降っていても昼はかならず気温があがり、テント内は裸でもいいときがある。太陽に近いからか?となると眠くなりつい寝てしまう。そして眠れない恐ろしい夜がくるのであった。



楽しみの一つはコーヒー。これだけは欠かせない。沢山持っていてよかった。

これは晴れ時の体洗い。水があるので助かるその後この池は下のクレバスがあき陥没してなくなった。

そして体がルースの生活に慣れると毎食後なにかが欲しくなる。この巨大なM&Mは中はチョコではなくピーナツクリーム。超高カロリー。朝食、夕食後物足りない時に、これとコーヒーで偽りの充実感を味わう。


暇なので色々試します。パンケーキミックスにオートミールやコーヒーを入れたりしてます。しかし最終的にはマヨネーズをつけるとなんでもおいしくなることが判明。

3日続いた嵐はやっと終わりそう。1週間続くときもある。またしても岩が真っ白。悪天後や気温が高い日は、凄い爆音とともに雪崩が頻繁に発生。夜でも発生し、音だけは間近で聞こえるで、テントまで飛んでくるのではないかと毎度びっくりする。1〜2kmくらい先なのに。見るだけには気持ちいい。


天気が回復してもすぐには登れないので回復した日はまず荷物干し。
。そして午後はショートルート登攀。下からみたクラックが戸切れているがたぶんいけるだろうう。またしても60m目一杯あり奮闘的なルート。綺麗だ。


これはI君。クラックの中は冷たかった。

天気が続かないので当初あきらめかけたがEye Tooth(犬歯)のWest PillarにあるThe Dream Of Spirit Of Mugs(23P 5.10c)へ。悪天のあとは2日くらいは持つので行くぞ〜。またしても今日は寒い。ここは西向きなのでまだ日陰。気温はマイナスで冬季登攀の気温。全23ピッチで24時間行動だ。

やはり雪が多いのか、日陰は緩傾斜のところに来ると雪がでたり、氷だらけ。今回はつるべでなく4ピッチごとにリードを交代。60mフルの12ピッチをこなすと半分。またしても60mで届かないピッチあり。その時はビレイヤーに上がってもらうしかない。天気は曇りでここまででくると標高も上がりたまに雪がちらつく。そして恐れていたことが・・・・・18ピッチ目あたりから雪と氷が増えてきた。そしてなんと5.8のピッチにびったりと雪が詰まっている。プロテクションも取れずシャムもできない。スメアリングも濡れているか、凍っている。となると雪に手足を突っ込んでランナウト。1ピッチ登ると手足の感覚が全くない。冬壁をクライミングシューズとチョークで登るようなものだ。どうかしてる。でも後数ピッチなので敗退はしたくない。ピラーの肩に近いので風も強く、恐ろしく寒い。時間は深夜1時すぎで多少暗く、スタンスがはっきり見えない。おまけにここにきて5.10cのピッチだ。2本クラックがあり、奥の方が簡単そうだが、雪壁なので確認しに行けない。手前のクラックがそうだろうとしとけ。行け〜。しかしとても10cには見えない。ここまでオールフリーなのに残念だが、I君にやばかったらテンションかけていいよというが、「やってみます」 と頼もしい言葉。しかしやってくれた。手足も感覚が全くない中フリーで抜けた。あとからわかったこれは違いバリエーション初登となった。ということでこのピッチは5.11a。
上は見事な景色だ。デナリ、ハンチントン。素晴らし過ぎる。そして寒すぎる。このままいたらやばい。登攀時間は15時間。下降も慎重に7時間かかり翌日の10時には取り付き戻りほっとする。あとはクレバスに注意しながら我が家へ帰ろう。テントからテントでフルに26時間行動だ。テントに帰りほっとする。今回の寒さはつらかった。

Eye Toothの下部。ちと大きなブロックが怖い。

右の格好いいタワーがルートのウWest Pillarだ。格好良すぎる。中央の壁は未登。落氷バンバン落ちる。

なんかだんだん天気が良くなって気温も上がり、夏雲だ。しかしEye Toothでのダメージが強い。足の指が凍傷気味だ。

今日初めて1組来た。独立記念日を交えての休暇らしい。Winsdom ToothのBaseでクライミングしてる。しかしこの壁もでかいです、写真の見える箇所だけでも60m目一杯で4ピッチ分あります。人間は左下の小さい点。


快晴なのにもったいないがオフだ。ここスタンプ・キャンプは最高の幕営地だ。周りは1000mを越す壁、デナリも見える。水あり、荷物を干せる岩ありと最高の場所だ。


登攀後のんびりをすごせ幸せ。今回の行動食、ナッツ&ドライフルーツ。M&M。チョコ数種。

そし夜が更けていく

まだ疲れているが、簡単なHut Towerへ行く。確かにここはルースのほかのルートと比べるとピクニックだ。一応12ピッチあるが、ここのピッチはそれほど長くないので、つい60m伸ばして繋げてしまう。この壁も小さく見えるがそれなり大きいです。今いるところから壁の右下のルンゼ末端まで2時間位かかるんです。


Hut Towerの核心

ここの核心はアプローチでした、晴天が続いたのでクレバスがバンバン空き、スノーブリッジも腐りまくり。行きと帰りに一回ずつクレバスに落ちびびりまくる。スノーシューなので落ちやすいんです。テント直前は一番ヒドンクレバスが多いので、ゾンデで刺して確認しながら歩きました。

こんな感じでクレバスから水が取れます。体も洗える。しかしたまに大きなクレバスがドンとあき、水がなくなることもあります

その1へ戻る その3へ行く