ジャンダルム飛騨尾根
(5月初~5月末)

穂高のジャンダルムは皆さん知っているでしょう。ここから発生しているジャンダルム飛騨尾根は有名ですが、あまり登られていません。何故なら夏は下から登ると尾根までのアプローチがブッシュで大変なので、上から下降して取り付きます。でもアプローチの割には登攀が短かいのでいまいち。やはり尾根は末端から登りたいものです。ということで、残雪時に白出沢から堂々と下から登りましょう。
初日は白出沢から天狗沢出合いで幕営します。2日目に登攀を行い穂高岳山荘まで入ります。j実は稜線が核心かも。なかなか緊張します。3日目は白出沢を下降してテントを回収します。

行程
1日目:松本駅(10:00)~白出沢~天狗沢出合いにて幕営 (徒歩5h位)
2日目:幕営地~シャンダルム飛騨尾根登攀~穂高岳山荘(10h位)
3日目:穂高岳山荘~白出沢~新穂高温泉(5.0h位)
技術レベル
アックス1本を使用しての緩傾斜から急な雪壁・岩稜の登攀
GW前後の北アルプスの雪稜登攀経験のある方 (例 奥穂高岳南稜、北尾根等)
宿泊
テント・山小屋

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前穂高岳北尾根・奥穂高岳南稜・コブ尾根・明神西壁
(5月初~5月末)

■ 前穂高岳 北尾根
槍穂高連峰において北鎌尾根と共に歴史ある超クラシックルートです。人気ルートなのでクライマーが多いですが、やはり一度は登っておきたいですね。クラシックルートはやはり見た目もいいし、内容もいいです。

■ 奥穂穂高岳 南稜
奥穂高岳南稜はその昔ウォルターウエストンが登った初登ルートです。初登が今のバリエーションだなんてスゴイですね。初日はのんびりと岳沢ヒュッテに行きます。2日目は早朝4:30頃出発します。途中に河童橋からもよく見えるトリコニーと言われる3つの岩場のうちの一つ目を簡単な岩登りで通過し、後は南稜の頭へまっしぐら。頂上は目の前です。下降はジャンダルムを越えて天狗沢~岳沢経由で下降します。
秋でも奥穂高岳への登頂バリエーションルートとしても可能です。

■ コブ尾根
コブ尾根は奥穂高岳南稜と共に残雪期に登られることが多いです。南稜より急ですが、すこし短いので春の雪稜入門にはうってつけです。

■ 明神西壁
壁ではないですが、残雪期の西面の急な雪面と岩稜です。
ここを登り、主稜を縦走して前明神沢を下降するのがいいでしょう。

行程(前穂高岳 北尾根)
1日目:1日目:上高地BT(7:00頃)~涸沢小屋 (7h位)
2日目:唐沢小屋(4:00)~北尾根登攀~前穂高岳~上高地(=松本駅(10h位)
行程(奥穂高岳 南稜)
1日目:上高地BT(13:00)~岳沢小屋 (3h)
2日目:岳沢小屋 ~南稜登攀~ジャンダルム~天狗沢~岳沢小屋 ~上高地BT(10h)
行程(コブ尾根)
1日目:上高地BT(13:00)~岳沢小屋 (3h)
2日目:岳沢小屋 ~コブ尾根登攀~天狗沢~岳沢小屋 ~上高地BT(9h)
宿泊
山小屋
技術レベル
急な雪面の下降 。アイゼンを履いての(雪の状態により必要ありません)三級までの岩登り。クランポン、アックスを使用した雪山経験のある方(赤岳、阿弥陀岳等)


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明神岳東稜・主稜
(5月初~5月末、9月〜10月)

近くていい山明神岳。その東稜は上高地~明神池の間の道から良く見えます。残雪期(5月)が登り頃です。初日は午後上高地集合して1h歩いて明神へ。歴史を感じる嘉門次小屋に宿泊し、囲炉裏で焼いた岩魚食べましょう。翌日早出で登攀し奥明神沢経由で下山します。もし体力がある人であれば明神Ⅰ~Ⅴ峰まで縦走して下山できます。

行程
1日目:上高地バスターミナル(15:00)~明神池~嘉門次小屋 (1h位)
2日目:嘉門次小屋 (3:30)~ひょうたん池~明神岳東稜~奥明神沢下降~岳沢ヒュッテ~上高地BT(10h位)
宿泊
小屋
技術レベル
急な雪面の下降 。アイゼンを履いての三級までの岩登り。クランポン、アックスを使用した雪山経験のある方(赤岳、阿弥陀岳等)

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六百山・霞沢岳
(5月、9月〜10月)

■ 霞沢岳(2646m)
4月下旬の上高地開山まではテント泊で南西尾根経由で。開山後は宿または小梨平に泊まり八衛門沢から登ります。あまり見ないアングルの穂高連峰がみれるといいですね。

■ 六百山(2450m)
名前の由来は600玉(ホダ)ほどの木材が産出されたことに由来しているらしいです。4月下旬の上高地開山後残雪を利用して急な雪面の登下降です。

■ 六百山~霞沢岳縦走
チョット体力コースですが、縦走すれば充実度倍増です。

霞沢岳(南西尾根から)
1日目:釜トンネル~南西尾根2200m付近(4h)
2日目:南西尾根2200m付近~霞沢岳往復~釜トンネル(7h)
六百山・霞沢岳
1日目:上高地(沢渡でも可)~六百山(霞沢岳)往復(6~9h位)
六百山~霞沢岳縦走
1日目:上高地泊
2日目:上高地~中畠沢~六百山~霞沢岳~八右衛門沢~上高地(11h)

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槍ヶ岳
小槍〜曽孫槍〜孫槍〜大槍
(5月〜10月)

槍ヶ岳にただ登るのではいまいち。一般ルートではないところから登りましょう。
小槍の登りは三級2ピッチで頂上へ。ここはクライマーしか来られない場所です。懸垂下降で下降し、曾孫槍~孫槍と小さなピークを越して槍ヶ岳の頂上である大槍へと登ります。
槍沢、飛騨沢に雪があるときが景色が綺麗で、空いているので登り頃でです。雪があると下山が楽です。下山は新穂高側の方が上高地より2時間ほど早いです。どちらでも可です。

槍沢経由(残雪期)
1日目:上高地~槍沢小屋(5h)
2日目:槍沢小屋~小槍・曾孫槍・孫槍・大槍~槍岳山荘(7h)
3日目:山荘~上高地または穂高温泉(5-6h)
新穂高経由(7月中以降)
1日目:松本=新穂高温泉~槍平小屋(5h)
2日目:槍平小屋~小槍・曾孫槍・孫槍・大槍~槍岳山荘(7h)
3日目:山荘~新穂高温泉=松本駅(5h)
または1泊2日も。

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西穂高岳 西尾根(3月)

困難さはないですが、西穂高岳へ直接突き上げる尾根です。
上部で北西尾根に合流し、そこからは変化があり、直接頂上に突き上げる醍醐味があります。
全装備を背負ってのアルパインスタイルでの登攀となります。
12月から4月までは登れますが、暖かくなった3月頃が適期です。
余裕をもって松本駅周辺に前泊がお勧めです。

行程
1日目:松本駅=新穂高~穂高平〜西尾根 (5-6h位)
2日目:西穂高岳~西穂山荘~新穂高ロープウエイ駅~新穂高=松本駅(8-9h)
宿泊
幕営
技術レベル
冬山、幕営経験者

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