奥又白池周辺の岩場は皆ピッチ数は短いですが、雪渓をアプローチに使い(アイゼン、ピッケルが必要)、3000m近い場所での明るく開けたエリアでのクライミングは、山の壁だなあと感慨深く、爽快感抜群です。
奥又白池はたぶんこの辺りでは最高の宿泊場所。広い、景色がいい、冷たい水があり便利。核心は重荷を背負ってのアプローチです。ここは岳人と言う言葉が似合います。
奥又白池にテント泊での登攀が一番面白いですが、体力的に厳しい、という人は涸沢小屋ベースも可能です。
1日目に涸沢小屋にはいり、2日目は北尾根Ⅳ峰フェースに行くもいいし、滝谷でもいいです。滝谷の方がアプローチが楽かな。そして3日目は直接北尾根Ⅲ・Ⅳのコルに上がり、奥又側に下降(アイゼン、ピッケルが必要)し北壁・C-フェースを登るのがいいでしょう。終了点である前穂高岳からは岳沢~上高地へ下山です。
■ 四峰北条新村ルート:歴史あるルートです。一見して急な壁に、弱点を巧についているルートです。核心のピッチは5.10aまたは5.8 A0です。

■ 前穂高岳北壁~Aフェース:右岩稜古川ルートが崩壊した今、こちらがよく登られます。北壁は結構脆いですが、Aフェースは一転して明るく、堅い岩です。終了点が前穂高岳頂上というのが魅力です。

■ 奥又白池~前穂高岳
かんたんなバリエーションとしてもいいですよ。

■ 提案プラン(7月下旬から9月下旬まで)

奥又白池テントベース(3日間)
1日目:上高地BT~徳沢~奥又白池(7h)
2日目:四峰北条新村ルート(または松高ルート)登攀~北尾根Ⅳ峰~Ⅴ・Ⅵのコル~奥又白池(8h)
3日目:前穂高岳北壁Cフェース登攀~前穂高岳~奥又白池~徳沢~上高地(10h)
涸沢小屋ベース(3日間)
1日目:上高地BT~徳沢~涸沢小屋(7h)
2日目:涸沢小屋または滝谷登攀~涸沢小屋(8h)
3日目:涸沢小屋~Ⅲ・Ⅳのコル~前穂高岳北壁・Cフェース登攀~前穂高岳~岳沢~上高地(10h)
涸沢小屋ベース(2日間)
1日目:上高地BT~徳沢~涸沢小屋(7h)
2日目:涸沢小屋~Ⅲ・Ⅳのコル~前穂高岳北壁・Cフェース登攀~前穂高岳~岳沢~上高地(10h)



滝谷は日本を代表する岩場のひとつです。飛騨側からはガスがあがり、冷たい空気があがってくるので厳しい雰囲気がありますが、夏晴れてガスがない日は、びっくりするくらい明るい雰囲気になります。

■ 滝谷出合いから第四尾根
滝谷は近年稜線から下降して取り付くのが一般的ですが、クラシックを求めるならやはり出合いから詰めて登りましょう。その昔藤木九三、早大の初登記録を読むとますます心躍るでしょう。滝谷遡行自体面白く、まず滝谷出合いから、その雄姿が見える雄滝を5-6ピッチで越えると両側から岩が迫り本格的に遡行開始です。次はナメリ滝。スラブで本当に綺麗。その上から段々水が涸れてきて、いよいよ岩だらけの滝谷に入ります。そして四尾根に継続です。非常に変化に富んだクライミングができます。私も大好きなルートです。登攀終了後は穂高岳山荘に泊まり、白出沢を下り、車に戻ります。
初日は滝谷出合い避難小屋にてシュラフカバーにて寝ます。蒔が沢山とれ、焚き火ができるので快適です。前爪のあるアイゼンが必要です。

■ 涸沢小屋から第四尾根
出合いからは体力的にはかなりなものなので涸沢小屋ベースで稜線から下っても登攀できます。こちらが一般的ですね。

■ドーム中央稜
滝谷で一番人気ルート。滝谷の中でも比較的岩が堅く、テラスも大きく4ピッチと滝谷では登りやすいルートです。時間があまれば北壁。

■クラック尾根
ウルトラクラシックルート。最高Ⅳ級。下部が少し脆いが登りやすいるーとです。終了点が北穂小屋というのもいい。

■第二尾根主稜・北山稜
最高Ⅳ-位なので初心者でも登れる岩稜ルートです。

滝谷出合いから第四尾根(3日間)
1日目:松本駅(13:00))=新穂高温泉~滝谷出合い(避難小屋にてビバーク) (3.5h)
2日目:滝谷出合~第四尾根登攀~穂高岳山荘(10-12h)
3日目:穂高岳山荘~新穂高温泉(5h)
ドーム中央稜 または第四尾根(3日間)
1日目:松本駅(9:00頃)=上高地~涸沢小屋 (6h)
2日目:涸沢小屋~滝谷登攀~涸沢小屋 (8-10h)
3日目:北尾根や前穂高岳北壁、奥又白池、横尾経由とご希望のそった下山


屏風岩はやはりでかい。涸沢に行く時眺めて、いつかは登りたいと思う岩だと思います。標高が低いので夏以外の長い期間登れます。

■ 東壁 雲稜ルートⅤ級 A1(or 5.11c)
巧みに弱点を突いたいいルートです。岩の終了点から懸垂下降で同下降です。屏風の頭まで行くと充実感ありますが、お勧めしません。ブッシュ漕ぎ2h+涸沢または徳沢へ1.5-2h程度かかります。

■右岩壁 ルンゼ状スラブルート(5.10a)
岩壁は傾斜はそれ程ないですが、長いフリークライミングが楽しめます。良く乾いた秋がベストです。同下降です。

東壁・右岩壁どちらか1本
1日目:上高地(昼すぎ)~横尾山荘(幕営でも可)
2日目:東壁または右岩壁登攀 ~横尾~上高地
東壁・右岩壁両方
1日目:上高地(昼すぎ)~横尾山荘(幕営でも可)
2日目:右岩壁登攀 ~横尾
3日目:東壁登攀 ~横尾~上高地


槍ヶ岳にただ登るのではいまいち。一般ルートではないところから登りましょう。
小槍の登りは三級2ピッチで頂上へ。ここはクライマーしか来られない場所です。懸垂下降で下降し、曾孫槍~孫槍と小さなピークを越して槍ヶ岳の頂上である大槍へと登ります。
槍沢、飛騨沢に雪があるときが景色が綺麗で、空いているので登り頃でです。雪があると下山が楽です。下山は新穂高側の方が上高地より2時間ほど早いです。どちらでも可です。

槍沢経由(残雪期)
1日目:上高地~槍沢小屋(5h)
2日目:槍沢小屋~小槍・曾孫槍・孫槍・大槍~槍岳山荘(7h)
3日目:山荘~上高地または穂高温泉(5-6h)
新穂高経由(7月中以降)
1日目:松本=新穂高温泉~槍平小屋(5h)
2日目:槍平小屋~小槍・曾孫槍・孫槍・大槍~槍岳山荘(7h)
3日目:山荘~新穂高温泉=松本駅(5h)


日本を代表するクラシックルートです。
無積雪期は共にバリエーション入門。登山靴で登る三級です。
残雪期は急な雪壁、アイゼンを履いての岩登りとヨーロッパアルプスを感じさせさてくれるでしょう。
1泊2日なら北尾根のみ。2泊3日なら2東稜、北尾根です。無積雪期なら2日目は滝谷の岩を登るのもいいでしょう。

1泊2日
1日目:上高地~涸沢小屋(6h)
2日目:涸沢小屋~前穂高岳北尾根~前穂高保岳~岳沢~上高地(10h)
2泊3日
1日目:上高地~涸沢小屋(6h)
2日目:涸沢小屋~北穂高岳東稜~(滝谷登攀)~涸沢小屋(6-10h)
3日目:涸沢小屋~前穂高岳北尾根~前穂高保岳~岳沢~上高地(10h)


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