ラープ(Rurp)

Yosemite El Capitan:Sea Of Dreams(5.10 A5)

これは私の尊敬するJim Bridwell、Dale Bard、Dave Diegelemanらが1978年に開拓した当時の最難ルートです。ここにはラープで作成されたビレイ点や、「もし落ちたら死」というピッチがありました。
昔の「Yosemite Climber」という写真集に、このルートのあるビレイ点でユマールしている先のデイル・バードの写真があります。(笑顔ですが・・・・)。このビレイ点はBiridwellがラープ6連発で作成したのですが、デイル・バードが「ボルトを追加しなきゃ、やだよ~」と言ったので、Biridwellは「この野郎、人の気持ちも知らないで」と怒りながら、このルート上でたった1本のボルトを追加したそうです。結局初登時にフック用に39個の穴を開けたらしいですが、今では200個以上あるといわれています。
また当時のエイドルートではブランクセクションで人工的に岩に手を加えることは認められていました。これってクライマーのレベルによって、手を加えるサイズや数が違ってくるので、当然再登が増えれば簡単になりますね。
でもフリールートでは認められてませんでした。これを大胆に破ったのが例のハング・ドッグ、フレンズの発明者レイ・ジャーダインで、彼が1981年に早くもノーズのフリー化に取り組んだ時、数箇所ホールドを作成し非難されました。でも現在のノーズフリーはこの箇所を登っているそうです。なかなか矛盾してますねえ。
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ラープとはRurp(Realized Ultimate Reality Piton)。実現された究極の現実のピトン。

名言・迷言・逸話集

「ニューズウィーク」誌に掲載されているような 誰かがいったユーモア、エスプリが聞いた話や都市(山?)伝説


「あそこに行くと勘違いするやろ」 by Mガイド
不動沢の駐車場でOガイドがMガイドと会った時、「(ガイドで)小川山へいかないんですか」とMガイドに質問したときの返事。


「今登ると人工になるで」 by Mガイド
Mガイドが墜落して腕を折った後、治療用に腕の中に金属プレートが入れた状態でクライミングを再開した時の一言。


「車で寝るのが、俺の主義や」 by Mガイド
某幕営禁止のエリアにて、「Mさんはどうするの」、と聞いたときの返事。


Y下:瑞牆の末端壁をコンテやショートフィックスで登れればいいねえ。
M裏:わしはJ山でコンテで登ってるで。
Y:なんの為にやってんの? なんか目標ルートあるの?
M:念の為や
Y:(笑い)


「君達はルートを登ったんじゃない、ルートを盗んだ」 by Jim Bridwell
ヨセミテであるエイドルートを登ったクライマーが、チータ・スティックを他のクライマーに自慢げにしてたのを見て一言


「おい あの友達のやつ持ってきた?」 by Ray Jardine
フレンズの開発者レイ・ジャーディンとフレンズを知っている友人2名と、他のクライマーとでクライミングに行った時、他のクライマーにばれない様にとっさに言ったこの一言で、名称が決まった。


「日本の夏壁はアルパインクライミングではない。」 by 昔から言われているけどね。
あるクライマーの主張。
■ あるガイド
「チキンハートを持った、ランナウト男」
Oガイドはアイスクライミングであまりプロテクションを取らない登りで大胆なのだが、八ヶ岳の鉱泉キャンディーを製作する時はチキンハートになり高い所へは行かない。私と出身地が同じだった。

■ あるクライマー
知り合いのあるクライマーは、鹿島槍ケ岳の氷のリボンの初登を狙った時、2ピッチ目の終了点直前でフォールし、途中ランナーが全部抜け、ビレイヤーを通り越して雪にグランドフォール。アイスクライミングで下が深雪だから助かったようなもの。60m以上は落ちたらしい。「落下係数2の男」です。たぶん存命するクライマーでは一番災難、遭難が多いんじゃないかな。ちなみこのルートは翌週、東京のクライマーによって初登されました。

■ みじかしい
「みじかしい」 短いが難しいルートを指して。湯河原 幕岩に多い?